契約の取消によって契約を解除するには、大きく分けて「消費者契約法によって定められているもの」と、「民法によって定められているもの」の2通りの方法があります。
事業者側が勧誘時に一定の行為をしたこと、あるいはするべき行為をしなかったことにより、消費者が誤解あるいは困惑して契約を結んだような場合には、その契約の種類・様式等に関係なく、消費者側から契約を取り消すことができる場合があります。 これによるときは一定の期間内(最短:追認可能な時から6ヶ月以内、最長:契約の時から5年以内)に取り消ししなければなりません。ただし、クーリングオフと同様、事業者の間による契約には適用されませんのでご注意ください。(事業者間の契約の場合は、後述する民法による解約が適用される場合があります。)
この方法によって解約できるケースには、以下のような場合があります。
民法は私的な関係一般を広くカバーする法律ですので、消費者契約法で取り消しできなかった事業者同士の契約に対しても効力を発揮します。 取消が認められるためには、こちらも一定の条件を満たすことが必要になります。また、消費者契約法と同様、民法の場合にも期間の制限は設けられています(最短:追認可能な時から5年内、最長:契約の時から20年以内)。
クレジット契約やローン契約という割賦販売取引によるとき(参照:クーリングオフが適用されないケース)、一定の条件の下、「商品が届かない」、「欠陥品が届いた」あるいは契約の取消・解除・無効等の主張といった抗弁事由を理由として信販会社(いわゆるカード会社)に対して支払を拒否できるときがあります。
これは、先に述べました債務不履行あるいは瑕疵担保責任を理由とする場合(参照:契約の解除による方法)、または事業者側の不法行為に基づく損害賞請求という形で行うときが考えられます。必ずしも解約を伴うものではありませんが、いずれにしても金銭的に生じた損失の補てんを図ることができる意味で1つの手段にはなります。